2016年10月10日

生物 細胞壁は運命を決める

細菌の細胞壁はペプチドグリカンという多糖とポリペプチドが縦横に連なってできたものです。詳しくは大学で習うので簡単に触れるだけにしておきます。


一般に生物L-アミノ酸とD-アミノ酸のうち、L-アミノ酸が使われています。このLとDのアミノ酸はちょうど右手と左手の関係、つまり鏡像異性体という異性体の関係になります。


しかし細菌の細胞壁を構成するポリペプチドにはD-アミノ酸残基が含まれています。そのためにタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が働きません。


そのかわり動物の涙や卵白の多くにはリゾチームという酵素が含まれており、一部の細菌の細胞壁の多糖部分を分解する作用を持ちます。


なかでもグラム陽性菌と呼ばれる細菌の細胞壁はリゾチームで分解されるために溶菌してしまいます。


ここからが今日の本題です。英国の学者フレミングは、くしゃみをしておそらく鼻水が培養していた細菌にかかってしまい、その部分の細菌が溶けたことから、リゾチームを発見しました。


普通、学者というものは自分の実験している大事な試料に向けて鼻水を飛ばすほどの豪快なくしゃみをする人はまずいないと思います。フレミングのユニークな人柄が想像できます。


何とこのフレミング、この発見だけでなく、またまたやらかしたことがありそれが世紀の大発見につながります。今度は細菌を培養していたシャーレをほったらかしにして(ふつうはきちんと滅菌して洗っておくものですが)、カビが生えてしまいました。


それを見たフレミングは、カビが生えたところの周りの細菌が溶けていることを発見します。抗生物質ペニシリンの発見(1928年)です。10年余りののちに薬として世に出て、戦後には細菌が原因となる伝染病などから多くの人々の命を救うことになりました。今現在も改良され続けている重要な薬の一つです。フレミングは他の研究者とともにノーベル賞を授賞します。


ペニシリンは細菌の細胞壁を作っていく酵素に結合して不活性としてしまいます。細胞壁を広げる際には一方で溶かす酵素も働く必要があるので、そちらばかりが働くことになり、結果的に細菌はペニシリンを加えると溶けていってしまいます。


このペニシリンは人間の酵素には結合しません。ですからペニシリンを服用すると、人体にはほとんど影響を与えず体内の細菌を抑えることができることになります。


このフレミングの一見ずさんというかずぼらな性格が2度ものセレンビリティーをしっかりものにし、歴史に残る業績となりました。憎めない人だと思います。結果的に細胞壁の性質を極めてうまく活用した手法の発明でした。


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2016年10月07日

微積分は急がば回れ

数Ⅱ、数Ⅲで微分積分をやっている人は、読んで欲しいことがあります。これから数Ⅲが微積分に入る人も同様です。数Ⅱでここがあまりわからない人は、それぞれ、今のうちに数Iの二次関数の最大値や最小値の求め方、数Iの三角比、数Ⅱの対数、指数、三角関数のあたりをひととおり見直しましょう。

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いずれも基本的なところで行き詰ったり、時間がかかったりということがネックになって数Ⅱ、数Ⅲで停滞してしまうことにつながってしまうからです。


I、数Ⅱでそれらが難なくクリアできている人にとっては数Ⅲの微分積分は、分数や三角関数のの取り扱いにちょっと工夫がいる以外はさほど難しくないと思えるはずです。数Ⅲからみると数Ⅱの微分積分は本当に優しく見えることでしょう。


それはそれとして、問題はこの微積分を使った入試問題のレベルです。手順を踏んできてそろそろ入試レベルの数学(数Ⅱと数Ⅲ)にチャレンジしていることでしょうが、骨の折れる問題が多いことに気づかされます。


何も微積分に限らず、数学で習ってきたことを駆使して解かないといけない総合的な問題が各単元にもあるからです。逆に言うといろいろな解き方のできる問題もなかにはあります。


こういう問題は良問が多く、数学の得意な人はもしものために、そういった問題を違う方法でも解けるかやってみるといいです。




タグ:微分積分
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2016年10月06日

数学Ⅱ 不等式の表す領域1 

領域の単元で不等式が現す座標上の領域がわからなくなりがちな人は読んでみてください。直線の上下の確認法です。

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直線y=ax+bをℓとすれば、

 yax+bの表す領域・・・直線ℓの上側

 yax+bの表す領域・・・直線ℓの下側

になります。


この基準で覚えておければいいのですが、これすら混乱してしまう人は、こうして確かめてください。

領域の不等号の向きがわからなくなったら、この式のx、yに適当な数値を入れてみればすぐにわかります。


例えばy=2x+1x=1のときy=3です。そこで仮に座標上に点(1,5)があったら、y>2x+1となりますね。つまりyの値5は、この直線より点(1,5)は上側にあることを表しています。このようにして不等号の向きと領域の関係を確認できます。

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2016年10月04日

数学の授業では自分でも計算する

授業を受けているとき先生が黒板で説明していることを書き写していますか。「うん、全部漏らさずノートに書いているよ。」そうですか。数学でもそうですか。「うん。」それじゃあ、自分でもちゃんと計算していますか。「う~ん。」

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数学の授業では必ず先生が説明している問題は自分でも計算を追っていけるか、そのスピードで計算できていけるか、同じ計算を先生としてみます。


先生の説明をノートに書いている際に一緒に自分で解くことで身につけます。そうすることで復習の手間を省けますし、解けるように一歩近づけることができます。予習をしていてもそうです。なぜなら先生はもっと良い方法で解いて同じ答えを出しているかもしれませんから。


そして答えだけでなく途中の計算も含めて問題には答える心積もりでいるようにします。問題を解く方針などは答案には書きませんけど、先生は説明されているはずです(それもノートにひと言書き加えておくといいです)。


そしていざ解くとなるとどの手順で計算したらいいかも含めて先生は最も標準的で効率のいい方法を書いているでしょう。自分がいざ問題だけ見てその効率のいい方法が身についているとは限りませんよね。したがってその部分のみ復習すればいいことになります。


解けるどうかは自分でやってみないとわからないわけです。それには授業中に計算の勘所を説明を聞きながらつかむことと同時に、計算のスピードを先生をお手本に体得していくのがポイントです。それには予習が必要なことはもうおわかりですね。


大学への数学 2016年 03 月号 [雑誌]
1対1対応の演習/数学II 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)
1対1対応の演習/数学3 曲線・複素数編 (1対1シリーズ)
大学への数学増 新 数学演習 2015年 10 月号 [雑誌]: 大学への数学 増刊
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2016年09月18日

一度解けただけで安心しない

数学の問題が解けた。ほっとしてひとまず満足。そして一度解けたところをやり直す人はそう多くないかもしれません。


ところが人間だれでも忘れるのが普通です。どんなことでもそうです。数学の問題も例外ではありません。しばらくたって解きなおしてみるのが肝心です。


そのとき前より解きにくいなあと感じることがあります。やり直してみる価値は十分あります。そうは言っても特にこの時期は時間は惜しいです。


そこで次々と問題を見て解く方針が浮かぶかどうかチェックしていく方法をとります(本当は解いてみるほうがいいです)。


なかにはあれっどうやるんだったっけ。というものが必ず出て来ます。そういうところをやり直すわけです。


皆さんはできない問題をやるのが受験勉強だと思いがちですが、じつは合否が決まるかどうかの境目は意外なところにあります。


難しい問題で差がつくことも当然ありますがそれ以上に差を分けるのが、標準レベルの問題です。ここで解けるか解けないかのほうが点数に差がつきやすいです。


したがって先ほどあげたような方法で全体をさらっと見渡して方針が浮かびにくいところがもしあったなら「易しいよこれ」と見過ごしてきたものであってもやり直す勇気が必要です。

posted by あまがえる at 20:00| Comment(0) | 数学 | 更新情報をチェックする