2017年01月08日

化学 水の極性

水はかなり極性(電子の片寄り)の強い分子です。水の水素原子は電子が少なく弱いプラス(δ+)を帯びています。その一方で同じ水分子の酸素原子のほうにその電子が引き寄せられ、弱くマイナスー)を帯びています。そのために溶質を溶かす性質があります。


この極性の考え方に基づいて水の固体()について説明します。水の結晶格子は、1つの水分子を他の4個の水分子が正四面体型に囲んで位置し互いに水素結合しています。


1つの水分子中の酸素原子は、4個の水素原子によって正四面体型に囲まれ、そのうちの2個は共有結合し、他の2個は水素結合しています。


氷が融けて液体の水になるとき結晶格子は部分的に崩れ、水分子が隙間に入りこむので体積が減少します。


4℃のときが密度が最大になり、水の温度の上昇に伴って体積が増加(熱運動が盛んになる)します。


水への溶解は次のようにして起ります。塩化ナトリウムのようなイオン結晶が水に溶けるときには、陽イオンのNa+には水分子の δーに帯電した酸素原子が引きつけられて水和します。


さらに、陰イオンのCl-には水分子のδ+に帯電した水素原子水和するため、イオン結合は弱められて結晶から離れて、水和イオンとなって水に溶けます。


エチルアルコールのような極性分子の集合には水素結合が存在しますが、これを水に入れると水分子との間でもっと強い水素結合が生じるため水和して混合してしまいます。


ベンゼンのような無極性分子は水分子との間に水素結合を作りませんので水には溶けません。


水の性質に極性は大きく関わっています。



ラベル:化学 期末試験
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2016年12月07日

化学 糖類で甘いものは

デンプンを単糖まで硫酸を用いて加水分解すると何ができますか。「え~と、グルコースだったかな。」そうです。

DSCN3521.JPG

植物はデンプンを二酸化炭素と水から合成して、植物の体の中で輸送するときには分解して水に溶けるグルコースに変えて運び、再びデンプンを生合成して貯蔵するということをしています。デンプンのままだと水に溶けず運べないからです。


そしてデンプンの化学式は(C6H10O5)nと書くことができます。つまりグルコースから水がとれて脱水縮合した形です。

  

逆にデンプンを加水分解すると

 (C6H10O5)nnH2O →nC6H12O6

nモルのグルコースになります。ショ糖と比べると上品で爽やかな甘さです。ちなみにショ糖はこのグルコースとフルクトースが脱水縮合したものです。


ところでデンプンは加水分解すると麦芽糖が得られます。これはグルコース2分子が結合した二糖類です。


文字通り、麦芽に含まれるアミラーゼによりデンプンに作用させると生じます。サツマイモが甘くなるのもイモに含まれるアミラーゼという酵素の働きによってこの麦芽糖が作られるからです。


水あめは麦芽糖からできています。上にあげたような単糖類や二糖類は甘いものが多く生物のエネルギー源となっています。

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ラベル:糖類
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2016年11月07日

化学 電離平衡に強くなる

電離平衡の計算の練習をする前に、常用対数の取り扱いに慣れておく必要があります。この単元を化学でこの時期に習う人の多くは理系に進むことが多いでしょうから、すでに数学で対数を学んでいる人にとってはこの計算は何も支障はないはずです。


ところが数学を実用分野の世界に持ち込んだとたんになぜか数学が使えなくなってしまう人がいます。本当の数学の実力が備わっているわけではないのかもしれません。


そうはいっても化学もまったなし。したがって最低限の常用対数を電離平衡のところで使う手順は練習しておきましょう。


特にpHを表す式pH=log10[H+]の取り扱いについては何度も練習して水素イオン濃度や希塩酸のpHの算出などには慣れていく必要があります。


そして電離平衡。電離度αを使って各イオンの濃度を「平衡前」、「変化量」、「平衡時」とに分けて電離平衡の式の下にそれぞれしっかり書いて表すと平衡定数Kの式を間違いにくいです。


ここでは具体的な問題は避けますが、教科書に出ている例題程度でよいので、Kを算出できるようにしていきます。


そうなると、たとえば酢酸の電離定数Kaなどの値が与えられていますと、上のように電離平衡の式からpHまで求められるようになります。


ポイントは弱酸の電離度がきわめて小さいので、1-α≒1と見なせるところです。Ka=cα2となり、ここからαが求められ、[H+]や続いてpHが求められます。


一見すると、化学の中にあって計算が続く食わず嫌いになりかねない単元ですが、入試問題であっても基本の練習をしっかりやっておけばそれほど発展的な内容は出題されません。


典型問題を何題か繰り返しやっておけばほとんど同じ手順の計算しか使わないことに気づくでしょう。したがってあえてこのブログには計算の過程などは掲載しませんでした。

ラベル:化学 電離平衡
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2016年11月04日

原子の核外電子の状態

最近は化学ではあまり授業で扱われなくなっている電子軌道について少し説明しましょう。

元素や物質はこの軌道の電子状態で様々な性質が現れます。文中に出てくる不対電子についてはとても大切です。ちょっと難しいですが最後まで読んでみてください。



電子は原子核の周りに軌道を描きながら回転しています。このような電子の軌道を電子殻といい、内側から順にn番目をn殻電子殻と呼びます。そしてこのときのnを主量子数といいます。


n=1の電子殻から順にLMN・・・Q殻と呼びます。各電子殻はn2個の副電子殻(オービタル)に分かれていてそれぞれの副電子殻には電子を2個ずつ収容できます(ここで2個の電子の自転方向が反対のため釣り合っています)。


K殻(n=1)は1個の副電子殻からできていてこれを1s軌道といいます。エネルギー順位が最も低くその電子雲は球形です。


L殻(n=2)には4個の副電子殻(2s2p)があります。2s軌道はエネルギー順位の低い球形の電子雲です。それに対して2p軌道はエネルギー順位の等しい3つの軌道に分かれています。それぞれの軌道は直航する軸方向へ広がる電子雲(2px2py2px)をもっています。


M殻(n=3)には9個の副電子殻(3s3p3d)があります。

・・・。

以下は省略します。


原子内の電子はエネルギー準位の低い軌道から順に収容されます。各軌道のエネルギー準位は1s→2s→2p→3s→3p→4s→3d→4p→5s→・・・となります。


1つの軌道には電子を2個まで収容することができます。このとき電子は対になる性質があります。


1つの軌道に1個だけ電子が収容されたとき、この電子を不対電子といいます。つまり対になっていない電子という意味です。同じエネルギー準位ではなるべく電子は均等に分かれて(不対電子になるように)配置されます。


この不対電子が原子の性質を決めるといっても過言ではありません。例えばイオンになる際にはこの不対電子が対になるか、抜けていくかで陰イオンになるか陽イオンになるかが決まります。


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2016年11月02日

化学 過酸化水素を分解するには

過酸化水素はじ~とながめていてもなかなか分解して酸素を出すことはありません。この反応です。


  2H2O2 → 2H2O + O2 ・・・①

過酸化水素は分解すると酸素が発生します。


この①の化学反応は中学校で習いましたね。「気体の酸素の発生法だよ。」そうです。酸素が欲しいときに使う化学反応です。


そのとき何か加えましたよね。「え~と、二酸化マンガン。」そうです。二酸化マンガン(酸化マンガンⅣ)です。これは化学反応式の中には現れません。どうしてですか。


「う~んと、たしか触媒だから。」そうです。酸化マンガンⅣは触媒として反応の前後で反応しません。①の化学反応の反応速度だけを上げます。


反応速度を上げるために、触媒があると①の化学反応の活性化エネルギーを小さくすることができます。


活性化エネルギーを小さくできるのは、触媒が反応の仲立ちをすることで別の反応経路をたどることができるようになり、そちらのほうがより反応が進行しやすい経路だからです。


この反応は触媒に酸化マンガンⅣを使う方法以外に、生体触媒である酵素を使ってもより進行しやすくすることができます。その酵素の名はカタラーゼといって肝臓(レバー)などに多く含まれています。


ラベル:化学
posted by あまがえる at 07:00| Comment(0) | 化学 | 更新情報をチェックする