2016年10月22日

芳香族化合物の音色

アブラゼミの暑い鳴き声が騒々しかったのに、いつのまにかツクツクボウシが鳴くようになると秋が近づいた証拠です。朝晩が涼しくなってきます。


さて化学は有機化合物が出てくると山場です。これから習う人もいるかな。ベンゼン環が出てくると「ああ、化学を勉強してるなあ」という感慨も湧いてきます。有機化合物の話には生活により身近な物質が多いですから話を聞いている分には人によっては興味が出てくるかも。


それに反して、有機化合物の名称や構造はより複雑怪奇になってきます。ここで化学への好悪がわりとはっきり分かれてきますよね。おもしろいと思う人がいる一方で、ベンゼン環を見るのもいやという人が私の年代にもいます。残念ながらそのままおとなになってしまうようですね。


さて、なかには化学が二次試験まで必要という人もいるでしょうし、センターで9割ほしいという人もいるでしょう。いずれにしても有機化学の分野はその重要ポイントです。


そこで、時間のあるうちに芳香族化合物、つまりベンゼンの誘導体(ベンゼンから反応経路で合成できるもの)の相互関係を構造式でA4の紙にまとめる作業を進めてください。


「あれっ、それなら学校の先生からいただいたよ。」それでも構いません。でも自分で勉強してみると「先生のをもっとこうしたほうが覚えやすいはず」と思うことが必ずといっていいほどあります。大学生の頃、皆がそれぞれそういったオリジナルのものをもっているのに驚きました。似たような事をやっていたようです。


それでは具体的に説明します。A4の紙の真ん中にベンゼン環を構造式で1cmぐらいのサイズで書きます(このくらいの大きさじゃないと1ページに収まりません)。四方にそれぞれ主な反応経路をたどって書いていきます。


このうちもっとも太い柱(つまりよく出るところ)は、ベンゼン→ベンゼンスルホン酸→ナトリウムフェノキシド→フェノール→サリチル酸→アセチルサリチル酸(もしくはサリチル酸メチル)の経路でしょう。


たとえば、「ベンゼン→ベンゼンスルホン酸」の反応の→の上にはHSO4を、下にはスルホン化と書きます。以下同様に書き入れます。この「太い柱」中のフェノールは、クロロベンゼン、クメンからも出来ますからその経路も入れてください。


ベンゼン→ニトロベンゼン→アニリン塩酸塩→アニリン→(→アセトアニリド)→塩化ベンゼンジアゾニウム→(→1-フェニルアゾー2-ナフトール)→p-ヒドロキシアゾベンゼンも重要です。こちらは化学実験でおなじみかな。アゾ色素は色がきれいで思わず声が出ますよ。


他にもベンゼンからはトルエンやシクロヘキサンの経路もありますよ。


ここで耳の痛い話をひとつ。この経路図ができて満足している人がいますが、反応経路を覚えることのほうが大事ですからね。全て書けるまで肌身離さず持ち歩き覚えましょう。


そして経路を覚えたら、各々の官能基の特徴を整理したり、化合物の電子の状態などを知っていくと化学反応の奥深さがわかってきますよ。


もちろん、上の化合物名を見て「なんのこっちゃ?」という人は有機化合物の最初のページから読み直すことを先にやってくださいね。


それから脂肪族化合物の相互関係も一覧表にできますよ。そちらもやってみてください。


クマゼミ→アブラゼミ→ツクツクボウシ(地域で違うかもしれません)のように鳴き声で季節がうつろいます。そしてせみの鳴き声が聞こえなくなる頃、夜にはチンチロリンと秋の虫の鳴き声が・・・。


有機化合物も反応によりさまざまな性質を示す化合物に移ろいで行きますね。まるで秋の虫がさまざまな音色で鳴くように。忙しくなる秋よりも今のうちにしたほうがいい化学の作業のお話でした。


タグ:化学
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2016年10月06日

センター コロイドって何?

お昼ごはんでマヨネーズを使いながら思いました。そういえばマヨネーズってコロイドだったなあ。


コロイドとは簡単にいうと分子やイオンよりも大きな粒子の分散したものです。砂糖水や食塩水などは分子やイオンの大きさが1091010(m)と小さな粒子です。したがって溶液にしたときは透明で「真の溶液」ともいいます。


それに対してコロイド溶液は、粒子の大きさが107109(m)と比較的大きく、よくみると濁りがあります。レーザー光をコロイド溶液に当てるとその部分が散乱して明るく光って見えます(チンダル現象)。真の溶液の場合には光は散乱せず光っては見えません。


これはコロイド粒子が光を散乱させるほどの大きさだからです。コロイドには様々な種類の粒子があります。牛乳、マヨネーズ、色のついたガラス、シリカゲル、霧、けむりなどさまざまです。


粒子となる分散質には気体、液体、固体があります。上のものを分類できますか。豆腐やゼリーなどもコロイドの一種です。これらは分散質が液体で、溶媒にあたる分散媒が固体になります。


上のチンダル現象を顕微鏡で見ると、コロイドの粒子が細かくブルブルと震えているのが見えます。


これは溶媒の水分子などが顕微鏡では見えませんが、コロイド粒子に当たっているから起る現象です。これをブラウン運動といいます。


ちょうどコロイド粒子のサイズはろ紙には通り抜けますが、半透膜には通れない大きさに当たります。したがってセロハン膜を通り抜けることはできません。

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2016年10月01日

化学 酸化数の求め方

酸化数を求めてみましょう。その際にギリシャ文字で表示します。数の1,,3,4,5,6,7はそれぞれ、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶで表し、プラスやマイナスをつけて+Ⅲや-Ⅱなどと表記します。


さて酸化数をつけるときのきまりです。酸化数を知ることで酸化・還元に強くなれます。


(1)単体の中の原子の酸化数は0(ゼロ)です。

FeCl2O2など単体の中の原子はいずれも酸化数はゼロとして計算します。

(2)化合物中の酸素原子の酸化数は-Ⅱ.水素の酸化数は+1と決めてあります。

(3)化合物中の酸化数の総和は0(ゼロ)です。

H2Oならば +Ⅰ×2+(-Ⅱ)=0。

NH3ならば N+(+Ⅰ×3=0 ∴N=-Ⅲ。

(4)単原子イオンの酸化数は、イオンの価数に+やーをつけたものです。

Na:+Ⅰ、Cl:ーⅠ、 O2:-Ⅱ。

(5)多原子イオンの酸化数の総和は、イオンの価数に+やーをつけたものです。

OH:-Ⅱ+(+Ⅰ)=-Ⅰ、 NH4N+(+Ⅰ)×4 ∴N=-Ⅲ

NO3N+(-Ⅱ)×3=-Ⅰ ∴N=-V


それでは次の下線部の部分の化学式について酸化数をそれぞれ求めてみましょう。

  I20(単体だから) KI:(+Ⅰ)+I=0  I=-Ⅰ

  Al0(単体だから) AlCl3Al+(-Ⅰ)×3=0 ∴Al=+Ⅲ

  CO2C+(-Ⅱ)×2=0 ∴C=+Ⅳ



2016 実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学
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2016年09月29日

化学は色の魔術

中学校から大学まで、理科の実験は好きという人は結構いるのではないでしょうか。

DSCN3930.JPG

実験の面白さは、こうなるだろうの予測以上の結果が現れることが多いことにあります。色や状態が見事に変化して別の物質になります。


また、おもしろい現象が起こります。これらこそ理科の醍醐味です。ここから理科の分野に進路を決めようとする人もいるかもしれませんね。


さて、そのなかでも金属イオンの溶液はじつにさまざまに見えます。また加える試薬によっても色が変化しますよね。


ここでは網羅的にあげることはやめて、例をあげて覚えるための手がかりを紹介しましょう。


ひとつは硫化水素(H2S)を加えたときの各金属イオンの溶液の色の変化です。これは苦手な人が多いですが、じつは覚えやすいものです。


銀、鉛、銅、鉄(Ⅱ)、鉄(Ⅲ)、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム

の各金属イオンについて示します。


H2Sを加えると

 酸性では銀、鉛、銅は黒色沈殿(黒沈)      

 塩基性では銀~鉄(Ⅲ)は黒沈、アルミニウムと亜鉛は白沈。


上にないものは全て沈殿を生じず溶液のまま。こう覚えます。「H2S。塩基性で、白のアルミニウムと亜鉛以上はみんな黒。」


カルシウムイオン

 硫化水素、アンモニア水、水酸化ナトリウム溶液、炭酸水、硫酸をそれぞれ加えると

 水酸化ナトリウム溶液、炭酸水、硫酸添加で白沈。


つまり、「カルシウム:アルカリ・炭酸・硫酸で白沈」と覚えます。


同じくバリウムイオンは、「バリウム:炭酸・硫酸で白沈」と覚えます。


これらを覚えられたら網羅的にまとめます。上の各金属イオンについて、硫化水素、アンモニア水、水酸化ナトリウム溶液、炭酸水、硫酸を各々加えた変化を、総当りの一覧表(たいてい化学の資料集にあります)にして何度も書いて確認しましょう。


posted by あまがえる at 14:00| Comment(0) | 化学 | 更新情報をチェックする

2016年09月16日

テレビの高校講座はおすすめ

私は、高校の化学はほとんど化学の後半について独学でした。なぜなら、後半の部分を担当した先生の授業がさっぱり意味不明でしたからです。ノートすらろくにとることができません。


そこで隣のクラスから友達のノートを借りて自分で理解しようと試みました。その友人には代わりに数学のノートを貸していました。結果は何とか化学を専門とする大学の学科に合格できました。


自分でやれば何とかなるんだとそのときに初めて思いました。それにはただし書きが付きます。中学校以来なぜか理科に興味があり、化学や生物の高校講座(当時はテレビで夜に放映されていました)を観ていました


そこでの実験が興味深かったからです。しかも先生方は東京の都立西高校など進学校の現役の先生方でした。大変わかりやすくコンパクトにまとめられた講義と実験ですんなり中学生の私でも理解していけました。


今は昼間に高校講座は「化学基礎」どうやら放映ているようです。もし、皆さんの中で興味がおありでしたら、録画しておいて後からゆっくりご覧になることができます。


なかなか興味深く今でもたまに見ることがあります。教える上でとても参考になるからです。


posted by あまがえる at 07:00| Comment(0) | 化学 | 更新情報をチェックする