2017年05月12日

生物 酵素は生体の触媒

酵素は生体内の化学反応をスムーズに進むように触媒する役割があります。それ自身は反応には使われません。反応を促進させる役割があり繰り返し使われます。


おもにタンパク質で作られており、生き物の体の中の代謝や解毒、生殖・・・など様々な反応や機能に関わっています。


酵素は体の中で働く対象となる物質(基質という)が決まっています。例えばたんぱく質を分解するタンパク質分解酵素(プロテアーゼといいます)は、タンパク質やペプチドにだけ働き、デンプンや脂肪、DNAなどの分解には関わりません。これを酵素の基質特異性といいます。


そして、タンパク質でできているため、ふつうは体温付近の3040℃前後でよくはたらきます。これを最適温度といいます。例外的に温泉などにいる耐熱菌の持つ酵素には100℃で働く酵素をもつものもあります。


もうひとつの性質ははたらくpHが酵素によって決まっていることです。これを最適pHといいます。


胃の中ではたらくペプシンというタンパク質分解酵素はpH2でよくはたらきます。それに対してすい臓から十二指腸に分泌されるトリプシンというタンパク質分解酵素は、pH8付近でよくはたらきます。


つまり酵素がタンパク質でできていることから、熱やpHによって立体構造が変化するために、こういった性質の違いが生じるといえます。


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タグ:酵素 触媒
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2017年04月19日

センター生物 細胞の特徴

植物の細胞にあって動物の細胞にはないものは何ですか?「え~っと、確か細胞壁は植物だけだったな。あとは…。」あとは葉緑体でした。細胞壁は植物体を支えるはたらき、葉緑体は光合成の場でした。植物と動物の細胞をまとめると次のようになります。


     植物細胞     動物細胞

葉緑体   ○        ×

細胞壁   ○        ×

液胞    発達      発達せず

ゴルジ体  発達      発達せず

中心体  シダ・コケのみ   発達


あとの細胞内の小器官のうち、細胞膜、ミトコンドリア、核、小胞体、リボソームなどは共通して存在します。


最近はある種の液胞の働きが少しずつわかってきて、まだ高校の教科書には出ていませんが、細胞内を積極的に片付ける役割などが見つかっています。液胞にはもっと動的な働きがあるんですね。この研究では日本人の研究者が中心的な役割を担っていて、近年のノーベル賞候補者として名前が挙がってきています。


それからユキノシタの葉の裏側を薄くはがして顕微鏡で観察すると、液胞に赤色のアントシアニンという色素がたまっているのを観察できます。ほかの細胞内小器官の機能などもしっかり理解しておきましょう。


細胞の特徴のお話でした。





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2017年01月31日

生物 DNAは絡まらない

皆さんはひもが絡まって困ったことがあるでしょう。長いひもはいつかは絡まる運命にあるかのように、必ずといってよいほど絡まってしまいます。


ところがDNAは長いひもにもかかわらず、絡まりません。ヒトの場合、染色体は23本あります。染色体のDNAは一本の長いひも状の分子です。ふつうなら絡まらないではいられません。ところがDNAはしっかり遺伝暗号を伝達する役目を果たしていきます。


この長いひも状のDNA鎖をどうやって絡まらないで維持していけるのでしょうか。「う~ん、裁縫の糸は糸巻きにまいてあるしなあ。」じつはそうなんです。


DNA2重らせんが糸巻きの役目をもつたんぱく質のヒストンに巻きついて、ビーズ状のかたちとなり(クロマチン)、これが連なってねじれた構造でおりたたまれコンパクトに整然とした構造(クロマチン繊維)をとります。こうしてもとのDNAの2重らせんから1万分の1のサイズにまで折りたたまれることになります。


そして必要に応じて一部がほぐれてmRNAに転写されます。糸巻きの役割をもつたんぱく質のヒストンは塩基性のたんぱく質で、表面にプラスの電荷を持ちます。そのため、酸性の核酸であるDNAはそのマイナスの電荷で、ヒストンと相互作用することができます。


おそらくDNA鎖の際のDNAとヒストンとの関係はジッパーか、チャックのようなイメージをもつとよいでしょうか。




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タグ:生物 遺伝子 DNA
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2016年12月31日

生物 生体膜のイメージ

季節が一段階進んだように感じています。


ところで動物の細胞は植物の細胞壁にあたるものがありません。したがって細胞膜に覆われた細胞がどうして形を保っているのかイメージをもちにくい気がします。


そこで話を脂質の構造に戻します。ここで脂質とは脂肪酸と2分子に1分子のリン酸がエステル結合したリン脂質を指します。


リン脂質の代表的なものがレシチンです。高級脂肪酸部分は疎水性が強く、リン酸の部分とコリン部分が結合した部分は、親水性が強くなっています。したがって、レシチンは脂質二重層の構造を作りやすく、生体膜の主要な構成成分となっています。


脂質二重層は親水性の部分を膜の内側表面と外側表面を向き、疎水性の高い部分(脂肪酸直鎖部分)が対になって膜の内部を構成します。したがって、膜に存在するタンパク質などは、疎水性の高い領域が膜の内部に突っ込む形で存在していることが多いです。


親水性の高いリン酸やコリンの部分はまくの外側に突き出るように存在して細胞表面の組織液など水との親和性を利用した養分や酸素のやりとりをしやすくしています。


さらにタンパク質の糖鎖などの部分は膜の外側に突き出すように存在でき、おそらく細胞同士で認識しやすいように配向していると考えられます。この生体膜のモデルは、流動モザイクモデルといいます。


流動モザイクモデルは文字通り、常温では固体と液体の中間の性質を持ち、この脂質二重層の間をタンパク質の一部は動くことができると考えられています。


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2016年12月30日

タンパク質の様々な機能

タンパク質は生体内でさまざまなはたらきを示します。それぞれのタンパク質は遺伝子DNAから転写、翻訳されて生合成されます。そしてそれぞれのはたらき場所に運ばれて機能を発揮します。

DSCN3480.JPG

これだけタンパク質が多機能を示すことができるのは、その構造の基本になるアミノ酸の構造に手がかりがあります。


タンパク質を構成するアミノ酸は20種類(プロリンはイミノ酸)あり、その共通の構造部分は下の図のように

アミノ酸2.JPG

の形でRの部分が異なるかたちをしています。これらが連なるときは


ペプチド.JPG

というペプチド結合によってつながっていき、ペプチドやタンパク質になります。


システインというアミノ酸はRの部分にSH基をもち、システインのこのSH基どうしが結びついてできるSS結合によってタンパク質やペプチドの構造の一部に橋を架けて立体構造(三次構造)を保つ働きをします。


美容室で髪にパーマをかけるときは、髪のタンパク質のこのSS結合の一部をつなぎ換えて望みの髪型にします。


このようにアミノ酸の種類が多いうえに三次構造もさまざまできます。これがタンパク質にいろいろな機能がもてる理由です。




タグ:タンパク質
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